アルディレス監督の限界 上

 アルディレスヴェルディの監督に就任して以来、2005年6月で丸2年が経った。
アルディレスが監督になり2年目の昨シーズンは天皇杯を優勝し、ヴェルディに久しぶりのタイトルをもたらした。
今シーズンはチームの完成度をより高め、リーグ戦でも上位争いをするものと期待された。
しかし、ヴェルディは第12節が終わって3勝4敗5分けの14位と思わぬ低迷を見せ、試合の内容も新加入したワシントンという抜群の決定力を持つFW頼みの戦い方から脱却出来ずにいる。
これらのことが全て監督の責任であると言うわけではないが、これ以上アルディレスに監督を続けさせても上積みが期待できないと考えられ、Jリーグの休止期間中に監督を交代しておくべきだったのではないだろうか。

その理由は以下の通りである

理由① アルディレスはライフサイクルの短い監督である。
 何年か前のサッカー批評で、ある監督がチーム作りに着手すると、徐々に最盛期に向かっていき、そこを越えるとまたダウンし始めるといったようなサイクルを描くと書いてあった。
過去のアルディレスの実績を見てみると、就任して比較的短期間で結果を出しているのだが、その後良い成績で安定することが出来ず、成績は低下あるいは停滞しているのである。
アルディレスは混乱したチームを立て直し、失った自信を選手に与えるような仕事は得意だが、一方で戦術的な引き出しが少なく、長期的なチーム作りは不得意な監督なのではないだろうか。

・1996年1月に清水エスパルスの監督に就任
 就任前はリーグ10位、96年1st7位、2nd6位、ナビスコ優勝
            97年1st2位、2nd5位となり解任
・2000年1月に横浜Fマリノスの監督に就任
 就任前はリーグ 3位、00年1st優勝、2nd5位、
            01年1st15位となり解任